内部監査の効率化について4分で徹底解説!
- 敏行 鎌田
- 2024年12月10日
- 読了時間: 4分
更新日:3月19日

従来の内部監査手法では手作業が多く、時間と労力がかかることが課題視
内部監査の現状と課題
内部監査は組織の業務プロセスや財務報告の正確性を評価し、リスク管理やコンプライアンスの強化を図る重要な役割を担っています。しかし、以下のような課題が存在します。
手作業による非効率性:多くの内部監査業務は手作業で行われており、データ収集や分析に多大な時間と労力が必要なことがあります。
情報の分散管理:監査に必要な情報が各部門やシステムに分散しており、必要なデータの収集が困難なことがあります。
監査品質のばらつき:監査員によって指摘内容の粒度や報告書の品質に差が生じることや、能力の高い監査員でも監査項目がマンネリ化してしまうことがあります。
これらの課題を解決するためには、内部監査の効率化を求める声が多方面であがっています。
内部監査効率化のための最新手法
1. CAATs(Computer Assisted Audit Techniques)
CAATsとは、コンピュータを活用した監査技法のことです。大量のデータを効率的に分析することで、莫大なデータを高い精度で検証できます。
2. アジャイル型監査
アジャイル型監査とは、プロジェクトの進行や変化に対して柔軟に対応し、効率的かつ迅速にリスク評価を行う手法です。従来の長期の計画を立ててから実施するウォーターフォール型の監査手法とは異なり、短いサイクルで計画、実施、評価を繰り返すことで、変化するリスク環境に適応します。
3. リモート監査
リモート監査とは、地理的制約を超えて監査を行う手法です。オンラインツールを活用して、データ収集からインタビュー、現場確認まで行います。例えば、パンデミック時や海外拠点の監査に効果的です。
内部監査効率化のためのツール活用
内部監査の効率化を図るためには、目的や手法に応じたツールの導入が効果的です。以下にその一例として、内部監査の効率化に役立つGRC(ガバナンス、リスク、コンプライアンス)ツールを紹介します。
GRCツールの活用
GRCツールに求められる主な機能:
コンプライアンス管理
インシデント管理
リスク評価と管理
ドキュメント管理と共有
監査プロセスの自動化
おすすめのGRCツール
QAIVA
内部監査をコアビジネスにしている企業が開発しているBIツールです。安価で内部監査にかかわらず、どの業種にも汎用的に使えるBIツールとなっています。運営会社が内部監査をコアビジネスにしているため、問い合わせることで内部監査に対するサポートを受けることも可能です。
ACL Analytics
大量のデータを簡単に分析し、監査効率を向上させるツールです。異常値やリスクの発見が迅速化します。
https://help.highbond.com/helpdocs/analytics/141/user-guide/ja/Content/what_is_acl_analytics.htm
SAP GRC
大企業向けツールです。リスク管理、コンプライアンス、監査機能を統合的に提供するエンタープライズ向けツール。
https://www.sap.com/japan/products/financial-management/grc.html
内部監査の効率化を進める際の注意点
1. ツール導入前のプロセス整理
効率化を目的にツールを導入した結果、その定着や運用に工数がかかり、逆に工数が増えてしまうというケースや、定着しないという場面も多く見受けられます。ツール導入の前に、本当に効率化につながるのか、メンバーがそれを扱えるリテラシーを持っているかを確認してからツールを導入することが重要です。
3. オンボーディング
新しい手法やツールを導入する際には、メンバーへの適切なトレーニングが必要です。これにより、ツールや新しいプロセスを効果的に活用できるようになります。
4. 現場との連携強化
内部監査の効率化を進める上で、監査対象となる組織の部門と連携を密にすることが重要です。これにより、データ提供やフィードバックがスムーズになり、監査の効率だけでなく、その効果も向上します。
5. セキュリティ対策
内部監査を行っていく中で様々なツールを活用することは重要ですが、情報漏洩リスクが高まる可能性があります。セキュリティ対策を強化し、データの保護に対しても細心の注意を払う必要があります。
内部監査効率化の成功事例
成功事例1:製造業企業
ある製造業企業では、CAATsを導入し、財務データの異常値検出を自動化。これにより、従来の手作業で行っていたデータチェックが不要になり、監査時間を30%短縮しました。また、不正取引を早期に発見し、数千万円の損失を回避できました。
成功事例2:小売業企業
多拠点展開する小売業企業がリモート監査を導入。従来は各拠点を訪問していたが、ビデオ会議やデータ共有ツールを活用することで移動時間を大幅に削減。監査頻度を倍増しつつも、コスト削減に成功しました。
成功事例3:金融機関
ある金融機関では、GRCツールを導入し、リスク評価と報告プロセスを自動化。これにより、法令遵守チェックの精度が向上し、監査報告書の作成時間を40%短縮しました。




