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監査手続とは?主要分類型から適用場面、設計方法から運用まで徹底解説。

目次

  1. 監査手続の定義と理論的枠組み

  2. 監査基準における監査手続の位置づけ

  3. 監査手続の主要類型と適用場面

    • 3-1. 外部確認手続

    • 3-2. 実査および観察手続

    • 3-3. 棚卸資産に関する立会手続

  4. 重要性基準(マテリアリティ)と監査手続の設計

  5. 監査手続の実施ステップと実務運用

  6. 内部統制の評価結果を反映した手続戦略

  7. 分析的手続と監査証拠の総合評価

  8. おすすめの内部監査支援企業

  9. 監査手続に関するFAQと最新動向

  10. 監査手続の専門的実践に向けて


監査手続の定義と理論的枠組み

監査手続とは、公認会計士等の監査人が、監査基準に基づき監査証拠を収集・評価し、合理的な監査意見を形成するために実施する一連の専門的活動を指します。これらはリスクアプローチに基づき設計され、財務諸表の表明事項に対する合理的保証を提供するための根幹を成します。


監査基準における監査手続の位置づけ

監査基準(日本監査基準、ISA等)は、監査の品質および一貫性を担保するための規範的枠組みであり、監査手続はその実務的展開を意味します。監査基準は原則論としてのリスク評価・証拠収集・結論形成を示し、監査手続はこれら原則を基に適切に設計・実施されなければなりません。


監査手続の主要類型と適用場面

1. 外部確認手続

取引先や金融機関などの第三者から、債権債務の残高、契約条件等を直接確認する手続であり、信頼性の高い監査証拠とされます。代表的には売掛金残高確認や預金残高確認が挙げられます。


2. 実査および観察手続

現金、有価証券、在庫等の実在を確認するため、監査人が物理的に検証・観察を行う手続です。現物資産の実査や、経営者による手続実施状況の観察が含まれます。


3. 棚卸資産に関する立会手続

企業の棚卸実査に立ち会い、実査方法の適否、数量カウントの精度を検証する手続であり、在庫の実在性・評価の適正性に対する重要な証拠となります。

監査手続の主要類型と適用場面

重要性基準(マテリアリティ)と監査手続の設計

監査手続は、重要性基準に基づいて設計・実行されます。財務諸表における誤謬が、意思決定に及ぼす影響度を測ることで、監査リスクを許容水準まで低減するための手続の種類・範囲・時期が決定されます。


監査手続の実施ステップと実務運用

監査実務において、以下のステップで監査手続は実施されます。

  1. 業務理解およびリスク識別

  2. 内部統制の把握・評価

  3. 全体的監査戦略および具体的監査計画の策定

  4. 実証手続の実施(テスト・オブ・ディテール、分析的手続)

  5. 証拠の評価および監査意見の形成


内部統制の評価結果を反映した手続戦略

内部統制の有効性評価は、監査手続の範囲および性質に直結します。内部統制が設計・運用の両面で有効であれば、監査人は実証手続の一部簡略化または代替手続の選択が可能です。一方で統制上の不備が識別された場合には、補強的な実証手続が必要とされます。


分析的手続と監査証拠の総合評価

財務諸表全体の整合性を検証するために、監査の最終段階では分析的手続が活用されます。トレンド分析、比率分析等を通じて、異常な変動や矛盾を特定し、監査証拠の妥当性を再検証します。


おすすめの内部監査支援企業

自社で内部監査手続含めた、内部監査に対するナレッジ不足を感じる場合、一度外部の内部監査支援企業に相談してみるのも良いでしょう。

下記に口コミの良い内部監査支援企業について、参考までにピックアップしています。


  1. 株式会社ハイファイ

    • 強み: 中小企業から上場企業まで幅広い支援実績があり、柔軟な対応力と実務支援に定評があります。

    • 弱み: 大規模なグローバルプロジェクトへの対応力は限定的です。

    • 向いている企業: 内部監査体制の構築や改善を検討している中堅企業や、初めて内部監査体制を構築する企業。

    • 公式サイト: ​https://hifi.co.jp/

      株式会社ハイファイ

  2. アビームコンサルティング

    • 強み: 日本発のグローバルコンサルティングファームとして、各国事情に精通したコンサルタントが参画する“ハイブリッド体制”で、地域に密着した実現性の高い支援を提供しています。

    • 弱み: 中小企業向けのコストパフォーマンスは限定的です。

    • 向いている企業: グローバル展開を目指す大手企業や、多国籍企業。

    • 公式サイト:https://www.abeam.com/jp/ja/


  3. PwC Japan(あらた監査法人)

    • 強み: 内部監査の高度化やITリスク対応に強みを持ち、業種固有の専門性や最新のデジタルツールを導入することで、経営に付加価値のある内部監査を実現します。

    • 弱み: 高価格帯であり、予算に制約のある企業には不向きです。

    • 向いている企業: 上場企業、金融・インフラ等の規制業種。

    • 公式サイト: https://www.pwc.com/jp/ja/about-us/member/assurance.html


  4. 株式会社リスクモンスター

    • 強み: 与信管理サービス事業の中核企業であり、独自に判定するRM格付の信頼性と、与信情報の提供にとどまらないサービスの総合力があります。

    • 弱み: メインの商材以外では競合が多く、システム投資ができる大企業が参入してきた場合に脅威となる可能性があります。

    • 向いている企業: J-SOX対応が必要な中堅〜中小企業。

    • 公式サイト: https://www.riskmonster.co.jp/


  5. 株式会社エス・エム・エスコンサルティング

    • 強み: 医療・介護・福祉施設の経営支援に特化し、介護保険制度などの最新動向、経営戦略、会計・税務に関する知識・実務・事例などを体系的に提供しています。

    • 弱み: 医療・福祉分野以外の対応力は限定的です。

    • 向いている企業: 医療法人、介護・福祉施設、保育園、一般企業など、医療・福祉分野に精通した支援を求める企業。

    • 公式サイト: https://ms-cpa.co.jp/



監査手続に関するFAQと最新動向

Q1. 最も信頼性が高い監査手続は?

A. 外部確認はその信頼性の高さから優先的に実施される傾向があります。


Q2. 電子化された監査手続の普及状況は?

A. 電子確認やAIによる仕訳分析、RPAによる監査作業支援が増加傾向にあります。


監査手続の専門的実践に向けて

監査手続は、監査基準に準拠しつつ、監査リスクを低減するために合理的かつ専門的に設計・実行されなければなりません。リスク評価、マテリアリティ、統制の有効性、証拠の適切性など、複合的な要素を統合的に判断することで、財務報告の信頼性確保に資する監査意見が形成されます。

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