内部監査における是正処置とは?目的や進め方から徹底解説!
- 敏行 鎌田
- 8月18日
- 読了時間: 4分
目次
- はじめに:「是正処置」の基本と必要性 
- 是正処置とは? – 定義と概念の整理 
- 是正処置と処置・修正処置・予防処置の違い - 処置との違い 
- 修正処置との違い 
- 予防処置との違い 
 
- 是正処置の具体的な進め方とステップ 
- ISOでの是正処置報告書の書き方・重要性 
- 是正処置の効果とメリット 
- まとめ:「是正処置」で組織の信頼性と品質を向上させよう 
はじめに:「是正処置」の基本と必要性
企業活動において、不適合やトラブルは避けられません。重要なのは、発生した不適合を再発させないための仕組みづくりです。その中心的な役割を担うのが「是正処置」です。ISO9001やISO14001などのマネジメントシステムでは、是正処置は組織の信頼性向上や顧客満足度向上のために不可欠なプロセスとされています。
是正処置とは? – 定義と概念の整理
ISO9000:2015における是正処置(Corrective Action)の定義は「発生した不適合の原因を除去し、その再発を防止するための処置。」です。
つまり、単なる問題解決ではなく、原因を根本から取り除き、再び同じ不適合が起きないようにする活動を指します。是正処置は事後的対応ですが、組織改善の好機でもあり、品質・安全・環境管理の持続的改善に直結します。
是正処置と処置・修正処置・予防処置の違い
処置とは?
- 処置(Action)は、発生した不適合や問題に対して即時的に行う対応全般を指します。例:不良品を回収する、作業を一時停止する。 
修正処置との違い
- 修正処置は、不適合を直接修正するための短期的対応です。例:不良品の再加工、仕様通りに手直しする。 
予防処置との違い
- 予防処置は、まだ発生していない潜在的な不適合を未然に防ぐための活動です。例:設計段階で潜在リスクを洗い出し、改善する。 
まとめると
- 処置=応急対応 
- 修正処置=現象の修正 
- 是正処置=原因除去+再発防止 
- 予防処置=未然防止 
是正処置の具体的な進め方とステップ
効果的な是正処置を行うためには、以下のプロセスが推奨されます。
- 不適合の把握と記録 - 発生日、内容、影響範囲を正確に記録する。 
- 内部監査や現場報告から情報を収集。 
 
- 原因分析(Root Cause Analysis) - 5Why分析や特性要因図を用いて原因を特定する。 
- 人的要因・設備要因・手順要因など多面的に分析。 
 
- 是正処置計画の立案 - 根本原因を除去するための具体策を決定。 
- 実施担当者、期限、必要リソースを明確化。 
 
- 是正処置の実施 - 計画通りに対策を実行し、関係者へ周知徹底。 
 
- 効果確認と検証 - 再発の有無を確認。必要に応じて再評価・追加対策を実施。 
 
- 記録と報告 - 実施内容、効果、残課題を是正処置報告書にまとめる。 
 

ISOでの是正処置報告書の書き方・重要性
ISO規格の審査では、是正処置の記録が重要な証拠書類となります。報告書には、以下の内容を含めることが推奨されます。
- 不適合の概要(発生日、発生場所、状況) 
- 原因分析の結果 
- 実施した是正処置の詳細 
- 実施責任者と実施日 
- 効果確認結果 
- 添付資料(写真、検査記録など) 
審査で重視されるポイント
- 原因分析が十分か 
- 対策が再発防止に直結しているか 
- 効果が証明されているか 
不十分な是正処置は「同じ不適合の再発」というリスクを残し、審査での指摘や顧客からの信頼低下につながります。
是正処置の効果とメリット
適切に是正処置を実行すると、以下のメリットが得られます。
- 再発防止によるコスト削減不具合対応や顧客クレーム対応のコストを削減。 
- 顧客満足度の向上品質の安定化によって信頼が向上。 
- 組織の継続的改善内部監査や日常業務の中でPDCAサイクルを強化。 
- リスクマネジメントの強化不適合が組織全体の弱点分析につながり、将来リスクの低減が可能。 
まとめ:「是正処置」で組織の信頼性と品質を向上させよう
是正処置は単なる事後対応ではなく、再発防止と組織改善を同時に達成する重要なプロセスです。ISO認証の取得や維持だけでなく、顧客満足や企業競争力の向上にも直結します。不適合発生時には迅速かつ体系的な是正処置を行い、継続的改善の文化を根付かせることが、長期的な成長への近道となります。







