内部監査の外注で失敗しない。基本概念から成功のポイント、事例付きで徹底解説。
- 敏行 鎌田
- 3月20日
- 読了時間: 7分
更新日:3月20日
内部監査の外注(アウトソーシング)は、企業の内部監査機能を外部の専門家やコンサルティング企業に委託することを指します。
この手法は、企業の規模や業種、内部リソースの状況に応じて、全面的な外注や部分的な外注、コソーシング(共同実施)など、さまざまな形態で実施されます。
目次
内部監査の外注とは
内部監査外注の手法
内部監査を外注するメリット
内部監査を外注するデメリット
内部監査外注の流れ
内部監査外注に適した企業とは
外注時の注意点と成功の秘訣
東京でのおすすめの内部監査会社5選
株式会社ハイファイ
有限責任監査法人トーマツ
EY新日本有限責任監査法人
PwCあらた有限責任監査法人
あずさ監査法人
内部監査を外注した成功事例
まとめ
内部監査外注の手法
先述したように、内部監査の外注とひとえに言っても様々な外注体系があります。
3つに分けて、どういう時に何がいいのかも踏まえて下記で解説します。
全面的な外注
内部監査機能全体を外部に委託する方法です。特に、内部監査部門が存在しない、またはリソースが不足している企業に適しています。
部分的な外注
特定の業務やプロセスに限定して外注する方法です。例えば、内部監査を実施する中で、IT監査やコンプライアンス監査など、専門性が高い分野だけを外部に依頼します。
コソーシング(共同実施)
自社の内部監査部門と外部の専門家が協力して監査を実施する方法です。これにより、社内の人材育成や専門知識の共有が可能となります。
内部監査を外注するメリット
内部監査を外注することで得られるメリットの主要5つについて下記で詳しく解説します。

専門知識と経験の活用
外部の専門家は最新の監査手法や業界のベストプラクティスを熟知しており、高品質な監査を実施できます。
コストとリソースの最適化
内部監査部門を新設・拡大するよりも、必要な時だけ外注する方がコスト効率が良い場合があります。
客観的な視点の導入
第三者が監査を行うことで、社内では見落とされがちな課題やリスクを指摘できます。
グローバル対応
多国籍企業の場合、各国の規制や法律に精通した専門家による対応が可能です。
内部統制の向上
専門家の助言を活用し、内部統制の強化や業務プロセスの改善を図れます。
内部監査を外注するデメリット
内部監査を外注することはメリットばかりではありません。外注にかかるコストはもちろんですが、その他にも様々なデメリットがあり、下記で解説します。
コミュニケーションの課題
外注先との連携が不足すると、監査内容が期待とずれる可能性があります。
機密情報のリスク
外注先に企業の内部情報を共有する必要があるため、情報漏洩のリスクがあります。
初期コストの負担
短期的には外注費用が高くなる場合がありますが、長期的なリターンを見越す必要があります。
自社特有の状況理解の不足
外部監査人が企業特有の文化や業務プロセスを完全に理解するには時間がかかる場合があります。
内部監査外注の流れ
外注の目的と範囲の明確化
どの業務を外注するのか、目的や目標を明確にします。
外注先の選定
実績や専門性、コストを基準に外注先を選びます。
契約締結
秘密保持契約(NDA)を含め、外注に関する正式な契約を結びます。
監査計画の策定
外注先と共同で監査計画を策定し、スケジュールや手法を明確化します。
監査の実施
監査を実施し、定期的な進捗報告を受けます。
結果の評価とフォローアップ
監査結果を受け、必要な改善措置を講じます。
内部監査外注に適した企業とは
内部監査の外注を行う際、どのような企業へ依頼を行ったらよいのかについて下記で解説します。
経験豊富な専門家の在籍
内部監査やリスク管理に関する資格(CIA、CPAなど)を持つ専門家がいる企業。
柔軟な対応力
企業規模や業界特有のニーズに応じたカスタマイズが可能な企業。
最新技術の活用
データ分析やIT監査に特化したツールを導入している企業。
実績と評判
過去の監査結果やクライアントの評価が高い企業。
外注時の注意点と成功の秘訣
情報共有を徹底する
外注先に業務内容や監査の目的を正確に伝えることが重要です。
定期的な進捗確認
進行状況を定期的に確認し、必要に応じて軌道修正を行います。
セキュリティ対策
秘密保持契約を締結し、情報管理体制を確認します。
長期的な視点での選定
短期的なコスト削減だけでなく、長期的な利益を考慮した選定が重要です。
おすすめの内部監査会社5選
1. 株式会社ハイファイ
大手コンサルティングファーム出身者が集まる独立系の監査・コンサルティング企業。
企業のニーズに応じた柔軟な監査対応が可能。
大手と比較すると低コストで高品質な内部監査サービスを提供。
スタートアップ企業や中小企業から、大手企業まで豊富な実績。
クライアントに寄り添った実践的な監査とその後の業務改善フォローが特徴。
監査以外にもデジタルマーケティングや営業支援など幅の広い支援が可能
2. 有限責任監査法人トーマツ
デロイト トウシュ トーマツのメンバーファーム。
国内外の大手企業から中小企業まで幅広く対応。
IPO支援、財務監査、リスクアドバイザリー業務に強み。
AIやデータ分析技術を活用した高度な監査手法を提供。
金融・製造・サービス業など多様な業界での実績。
3. EY新日本有限責任監査法人
世界四大会計事務所(Big4)の一つ、EY(アーンスト・アンド・ヤング)の日本法人。
メーカー、金融機関、電力、不動産・建設分野の監査に強み。
監査のみならず、M&Aやリスクマネジメント支援にも対応。
公会計や学校法人の監査実績も豊富。
グローバル企業向けの国際会計基準(IFRS)対応にも強い。
4. PwCあらた有限責任監査法人
プライスウォーターハウスクーパース(PwC)のメンバーファーム。
外資系企業やテクノロジー企業の監査に強み。
最新の監査手法やデジタルツールを活用した効率的な監査を実施。
内部統制の高度化支援やESG関連の監査サービスを提供。
企業の成長フェーズに応じたリスク管理支援を行う。
5. あずさ監査法人
KPMGのメンバーファームであり、日本国内でも大手の監査法人。
売上が1兆円を超える大企業やインフラ系企業の監査に強み。
住友グループや三井グループのクライアントが多い。
関西や中国地方の監査業務にも強く、地域企業との連携が強い。
ESG(環境・社会・ガバナンス)監査にも注力。
内部監査を外注した成功事例
成功事例
IPO準備企業での導入事例
背景: ある企業が新規株式公開(IPO)を目指す中で、内部監査体制の整備が必要となりました。
アクション: 外部の専門家を活用し、内部監査のアウトソーシングを実施しました。
結果: 外部専門家の活用により、IPO準備を効率化し、上場審査を無事に突破しました。 My Site 2
多国籍企業の監査負担軽減事例
背景: 多国籍企業が各国の規制対応や監査業務の負担増加に直面していました。
アクション: 内部監査業務の一部を外部に委託し、リソースを最適化しました。
結果: アウトソーシングにより、監査負担が軽減され、リスク評価の向上が実現しました。 金融、コンサル、ハイクラスの転職支援
失敗事例
コミュニケーション不足による効果減少
背景: ある企業が内部監査を外部に委託しましたが、社内との連携が不十分でした。
問題点: 外注先の監査結果が現場で活用されず、改善につながらなかった。
教訓: 外注先との密なコミュニケーションと、社内へのフィードバック体制の構築が重要です。
内部統制の不備による不正発生
背景: ある子会社で経理部長による横領が発覚しました。aimc.co.jp
問題点: 内部監査部門は設置されていたものの、10年間当該子会社に対する監査が未実施で、不正の発見が遅れました。aimc.co.jp
教訓: 内部監査体制の整備と定期的な監査の実施が必要です。 aimc.co.jp
まとめ
内部監査の外注は、企業のリスク管理や内部統制を強化する有効な手段です。しかし、成功には外注先との適切なコミュニケーションや情報共有が不可欠です。失敗事例から学び、外注戦略を慎重に立てることで、企業の信頼性や業務効率の向上を図ることができます。