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業務監査とは?目的から実施方法、業種別Excelチェックリストも無料配布

目次


業務監査とは?その目的について

業務監査とは、内部監査の内の監査手法の一つで、企業の業務活動が適正かつ効率的に運営されているかを検証する監査のことです。

主に業務の有効性・効率性・コンプライアンス(法令遵守)の観点から、問題点を特定し、改善策を提案します。

監査の対象は、経営戦略、業務プロセス、リスク管理、内部統制、コンプライアンスなど広範囲に及びます。


業務監査の目的

業務監査の主な目的は、以下の3つに分けられます。

業務監査の目的

(1) 業務の有効性の評価

  • 業務プロセスが企業の目標達成に貢献しているかを検証

  • 例えば、販売戦略が市場ニーズに合致しているか、顧客満足度が向上しているかなどを分析。

(2) 業務の効率性向上

  • 無駄な業務プロセスの削減、コスト削減、業務時間の短縮を目指す

  • 例えば、同じ作業を重複して行っていないか、手作業を自動化できる部分はないかを評価。

(3) コンプライアンス(法令・規程遵守)の確認

  • 業務が法令・社内ルールに従って適正に運営されているかを確認

  • 例えば、労働法や個人情報保護法に違反していないか、契約管理が適切に行われているかを監査。


業務監査チェックリストの役割

業務監査チェックリストは、監査活動の効果性と効率性を高めるための重要なツールです。以下に、その専門的な役割と意義を詳述します。


1. 監査プロセスの標準化と一貫性の確保

チェックリストは、監査手続きの標準化を促進し、監査人間の判断のばらつきを最小限に抑えます。​これにより、監査結果の一貫性と信頼性が向上し、組織全体での監査品質の均質化が実現されます。 ​


2. 監査範囲の網羅性と抜け漏れ防止

監査対象となる業務プロセスや内部統制の全体像を把握し、必要な監査項目を体系的に列挙することで、重要なリスクや統制の見落としを防ぎます。​これにより、監査の網羅性が確保され、組織のリスクマネジメント体制の強化に寄与します。 ​


3. 監査効率の向上とリソース最適化

事前に策定されたチェックリストを活用することで、監査人は効率的に監査活動を進めることが可能となります。​これにより、監査に要する時間とコストの削減が図られ、限られたリソースを最適に活用できます。 ​


4. リスクの早期発見と内部統制の強化

チェックリストを通じて、業務プロセスや内部統制の不備やリスク要因を早期に発見することが可能となります。​これにより、適切な是正措置や予防策を講じることができ、組織のリスク耐性と内部統制の有効性が向上します。 ​


5. 継続的な業務改善と組織学習の促進

監査結果に基づき、業務プロセスの改善点を特定し、具体的な改善策を提案することで、組織の継続的な改善活動を促進します。​また、監査を通じて得られた知見を組織全体で共有することで、組織学習が促進され、全体の業務品質とパフォーマンスの向上につながります。 


業務監査チェックリストの作成時の注意点

  • 具体的な項目にする

    抽象的な表現を避け、「どのように評価するか」を明確にします。

  • 最新情報を反映

    法令や業務内容の変更に応じて、定期的に更新しましょう。

  • 柔軟性を持たせる

    監査対象の業務や環境に応じてカスタマイズ可能なチェックリストが理想です。


業務監査チェックリスト作成のステップ

以下の手順を参考に、業務監査チェックリストを作成しましょう。


【ステップ1】監査の目的と範囲を決める

まず、「なぜこの監査をするのか?」という目的をはっきりさせます。

また、「どの業務や部門をチェックするか?」という範囲も明確にしましょう。

目的と範囲をはっきりさせることで、ムダのないチェックリストになります。

例)

  • 不正を防ぎたい、業務のムダを見つけたい、ルール通りに動いているか確かめたい など

  • 営業部門の経費処理だけを見る、全社の契約管理を調べる、など


【ステップ2】業務ごとのリスクを洗い出す

次に、その部門の業務フローの中で「どんな問題が起きるかもしれないか?」を考えて、リスクを洗い出します。

リスクごとに「重要度」や「起こりやすさ」を見て、優先順位をつけておきましょう。

リスクを元にチェック項目を作るので、ここがとても大事なステップです。

例)

  • 契約書が社内で承認されずに使われている → コンプライアンス違反のリスク

  • 請求書が間違って処理されている → 支払いミスのリスク


【ステップ3】チェック項目を作る

洗い出したリスクに対して、「それがちゃんと管理されているか?」を確認できる具体的な質問(チェック項目)を作ります。

できれば「はい・いいえ」で答えられるシンプルな項目にすると、誰が見ても同じ基準でチェックできます。

リスクとチェック項目を一対一で考えると、漏れがなくなります。

例)

  • 「契約書はすべて社内の決裁を通っていますか?」

  • 「経費の申請はルール通りに処理されていますか?」


【ステップ4】チェックリストの形式を決める

最後に、「チェックリストをどう使うか?」を考えて、使いやすい形式にします。

形式は「現場で使いやすいかどうか」を第一に選びましょう。

例)

  • 紙で印刷して現場で手書きしたい → ExcelやPDF

  • パソコンやタブレットで集計したい → Googleフォームや簡易システム

  • 他の人と共有・分析したい → クラウドやチェックリストツール(例:Notion、Trello)



業務監査チェックリストに含めるべき項目

1. 業務プロセスの妥当性と整合性

業務フローや手順が明確で、組織全体の目的や戦略と整合しているかを確認する項目です。属人的な運用になっていないか、ルールが文書化されているかなどをチェックします。

  • 業務プロセスがフローチャートや業務記述書等で明文化されているか?

  • 現場で実施されている業務が、定められた手順書や規程と一致しているか?

  • 手順書や業務マニュアルが定期的に見直され、最新の状態に保たれているか?


2. 内部統制の有効性

内部統制(特に統制活動)に関する整備状況と運用の有効性を確認します。特に、不正防止、誤謬の早期発見、権限の適正配置に関する観点が重要です。

  • 職務分掌(権限と責任の分離)が相互牽制の観点から適切に設計されているか?

  • 承認・決裁フローが組織規程に則って確実に運用されているか?

  • 会計処理や在庫管理など、主要業務に統制ポイントが設けられているか?

  • 業務プロセスにおけるアクセス権限の設定・管理が適正に行われているか?


3. コンプライアンス(法令・社内規程遵守)

法令や業界ルール、社内規程への適合状況を確認します。違反の兆候がないか、また社内啓発や教育体制が機能しているかも含めて点検します。

  • 対象業務に関連する法令・ガイドラインを把握し、それに準拠した運用が行われているか?

  • 重要な業務文書(契約書・申請書・稟議書など)が必要な期間、適切な形式で保管されているか?

  • 従業員へのコンプライアンス教育が定期的に実施されているか?

  • 社内通報制度や倫理規程など、不正・不祥事への予防措置が講じられているか?


業種別の業務監査チェックリスト例(Excel)

下記に汎用的な業種別の業務監査チェックリストの例をExcelファイルで添付しています。


製造業の業務監査チェックリスト例

IT業界の業務監査チェックリスト例

小売業の業務監査チェックリスト例


専門家やツールの活用による監査効率化

自社に業務監査の知見がない場合や、人手が足りない場合は外部の専門家に委託することをお勧めします。また、業務監査を実施する際、ツールで補うなども有効でしょう。


業務監査でよくある課題と解決策

課題

解説

解決策

時間とリソースの不足

監査業務は多大な時間と人員を要し、特にリソースが限られている場合、監査の質や範囲に影響を及ぼす可能性があります。

監査ツールの導入:監査管理ソフトウェアやデータ分析ツールを活用することで、監査プロセスの自動化や効率化を図り、限られたリソースで高品質な監査を実施できます。 

監査項目の漏れ

監査範囲が広範である場合、重要な監査項目を見落とすリスクがあります。

チェックリストの活用:体系的な監査チェックリストを作成し、全ての重要項目を網羅することで、漏れのない監査を実現します。 

専門知識の不足

特定の分野における監査には、専門的な知識が必要ですが、全ての分野をカバーするのは困難です。

アウトソーシングの活用:外部の専門家やコンサルタントを活用し、専門知識を補完することで、監査の質を向上させます。 

コミュニケーション不足

監査部門と他部門との連携が不十分だと、情報共有や協力が滞り、監査の効果が減少します。

定期的な連絡会議の実施:他部門との定期的な会議やワークショップを開催し、情報共有と連携を強化します。

ITシステムの複雑化

IT環境の複雑化により、システム監査が困難になる場合があります。

IT監査の専門家育成:IT統制やシステム監査の専門知識を持つ人材を育成し、適切な監査を実施します。 


おすすめの業務監査外注先企業

以下に、内部監査を含む業務監査の外注を検討する際に参考となる企業をご紹介します。

1. 株式会社ハイファイ

大手から中小企業まで幅広い実績のあるコンサルティング会社。大手コンサルティング企業から転職してきたメンバーが核で構成されている小規模の会社というのが特徴で、案件担当者が決断権を持ち、柔軟に案件に合わせたスピーディーな対応が強みになっています。大手コンサルティング企業と比較すると対応範囲は狭くなりますが、安く内部監査を依頼することが可能です。


2. Exe.Forum株式会社

公認内部監査人(CIA)資格を持つプロフェッショナルが、国内外の拠点における業務監査やテーマ別監査を代行・支援しています。監査計画の策定からフォローアップ監査まで、一連の業務をサポートしています。


3. 小田公認会計士事務所

内部監査のアウトソーシングを主な業務としており、実務経験豊富な公認会計士が監査業務をサポートしています。内部監査担当者の採用に関する問題解決や、監査費用の予算化を支援しています。


業務監査チェックリストを活用して企業力を高めよう

業務監査チェックリストは、企業の業務改善やリスク管理に欠かせないツールです。適切に作成し、活用することで、以下のようなメリットが期待できます。

  • 業務の透明性向上

  • コンプライアンスの確保

  • 業務効率の向上

ご意見などお気軽にお寄せください

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